妊娠中絶の場合は「吸引法」を 厚労省が学会に周知依頼

神宮司実玲
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 人工妊娠中絶の方法について、厚生労働省は、日本産科婦人科学会(日産婦)と日本産婦人科医会に対し、子宮内の胎囊(たいのう)などを吸い出す「吸引法」を周知するよう文書で依頼を出した。

 日本での中絶の方法は、スプーン状の器具などで子宮内の胎囊などを出す「搔爬(そうは)法」や、電動や手動で吸い出す吸引法、この二つの併用がある。日本では古くから搔爬法が主流だったが、近年では吸引法も増えている。

 世界保健機関(WHO)が2012年に発表したガイドラインでは、妊娠中絶の「安全で効果的」な方法として、吸引法か中絶薬を推奨している。

 中絶薬は、70以上の国・地域で使われているが、日本では認められておらず、国内で承認申請に向けた治験が進んでいる。

 ガイドラインは、搔爬法は、吸引法よりも重大な合併症の頻度が2~3倍高いなどとして、「安全性と女性のケアの質を改善するために、搔爬法を吸引法に切り替えるための、あらゆる可能な取り組みがなされるべきである」としている。

 厚労省はこのガイドラインを抜粋。「WHOは吸引法を推奨している」として、学会に、会員に対して国際的な動向を踏まえて吸引法を周知するよう求めている。(神宮司実玲)

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