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妊娠期の喫煙は成人早期の重症喘息にまで影響
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicineから

2021/07/27
倉原優(近畿中央呼吸器センター)

 親が喫煙すると子どもの喘息リスクはかなり高くなります1)。妊娠中の母親が喫煙すると、生後まもなくから肺機能が低下することが分かっており、用量依存性も見られます2)

 たとえ母親が喫煙していなくても、父親が喫煙していればやはりリスクは上昇します。両親が喫煙していたら、もう地獄です。児のニコチン濃度が高くなる順番は、両親が喫煙者 > 母親が喫煙者 > 父親が喫煙者、とされています。理由は、母親のほうが父親よりも子どもと接する物理的機会が多いためです。

 今回、紹介するのはAmerican Journal of Respiratory and Critical Care Medicineに掲載された、「青年期後期~成人早期における遷延性重症喘息に関連する因子(Factors Associated with Persistence of Severe Asthma from Late Adolescence to Early Adulthood)」(Neema Izadi, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2021.doi: 10.1164/rccm.202010-3763OC.)です。

著者プロフィール

倉原優(国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)●くらはら ゆう氏。2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て08年から現職。自身のブログ「呼吸器内科医」で論文の解説やエッセイを執筆。著書は『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、他多数。

連載の紹介

Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ
倉原氏は、呼吸器病棟で活躍する医師。呼吸器診療に携わる医療従事者が知っておくべき薬や治療、手技の最新論文の内容を、人気ブログ「呼吸器内科医」の著者が日々の診療で培った知見と共に解説します。呼吸器診療の最先端を学べる臨床連載です。

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