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pH.5.5のスキンケアをはじめましょう!(妊婦さん編)

最近お肌の調子はどうですか?にきびや、かさつきなど今までと同じスキンケアではあわなくなっていませんか?妊娠中は心もからだもデリケート。そんなときこそスキンケアもデリケートなものに。お母さんのスキンケアは実は生まれて来る赤ちゃんの為にも大切なのです。妊娠中だからこそ、スキンケアは慎重に選びたいものです。


pH5.5って?

スキンケアに弱酸性がよいということは最近みんなもよく知っていますよね。
でも同じ弱酸性でも、pH5.5の弱酸性がとても重要だということも知っていますか?健康な肌はpH5.5。健康な肌には細菌などの感染を防止するバリア機能があり、その肌本来の機能を低下させないことが大切なのです。

※pHって何?
酸性、アルカリ性の度合いを0〜14の数字で表したのがpH(ペーハー)といいます。pH7のときが中性で、それより大きいときがアルカリ性、小さいと酸性です。皮膚を保護している皮脂膜は弱酸性のpH5.5なのです。

バリア機能って?

私達のお肌の1インチ(6.5cm)四方には、約2,000万個もの細菌などがいるといわれ、それら細菌叢(常在菌)は、免疫機能を刺激したり、有害な細菌の侵入を防いでいます。これらの常在菌は、皮脂をエサにして脂肪酸を作り出し、肌を弱酸性にしています。つまり、常在菌が表面に弱酸性の皮脂膜(バリア)を作り、有害な菌の侵入を防いでいるのです。また肌にある角層も、皮膚を守るバリア機能の役割を果たしています。角層を構成している角質細胞は、ケラチンというタンパク質でできていてその中のNMF(天然保湿因子:主にアミノ酸や、その分解物でできた保湿剤)が水の分子を引き寄せます。また、それらの細胞と細胞の間に存在する細胞間脂質にも水を保持する役割があります。外からさまざまな有害物質が体内に侵入するのを防ぎ、体内の水分や有用物質が失われるのを防いでくれているのです。


キーワードは”バリア機能を壊さず清潔に!“

私達の肌にはもともと細菌など外部の刺激から生体を守る防御システムが備わっていますが、一度の入浴で石けんを使うと、皮膚の常在菌のほとんどが流されてしまいます。そして元に戻るまで、一説では12時間もかかるとも言われています。清潔さにこだわって洗浄力の強いもので洗いすぎることは、常在菌叢を破壊し、健康な素肌から遠ざける結果となります。肌のバリア機能を壊さないようにすることが非常に大切なスキンケアのポイントなのです。


妊娠中だからこそ清潔に!

妊娠によりホルモンの変化が起こると、代謝が盛んになって膣内の分泌物(おりもの)は増加して、かゆみなどのトラブルも起こりがち。抵抗力も落ちているので、弱酸性の膣の中や外性器の周辺を不潔にしていると膣炎になりやすくなります。症状によっては流産や早産を引き起こしたり、産道からの感染で赤ちゃんが皮膚炎、結膜炎や肺炎にかかる危険性が高くなります。もちろん清潔は大事でも、女性のデリケートな部分を洗うとき、石けんでは刺激が強い場合も。お湯だけでは落ちにくい汚れもあるので、弱酸性の洗浄料でやさしく洗いましょう。また、膣の中はあまり洗うと自浄作用が弱くなるので、かえってマイナスです。

まずは心と体の準備を!
薬を服用している場合
汗は洗い流すのが基本!

汗をかいてふやけた状態の皮膚も別の意味でバリア機能が壊れています。いろいろな水溶性物質の侵入を許してしまったり、皮膚の弱酸性が中和されてしまうので、殺菌能力が弱まってしまいます。また、時間がたって分解された汗は皮膚トラブルの原因になることもあります。しかし、汗の99%は水でその他が、脂肪酸や老廃物のアンモニアなどですから、洗浄力の強い石けんを使って洗う必要はなく、弱酸性の皮膚にやさしい洗浄料で洗い流すとよいでしょう。

ゴシゴシ洗いは禁物です!

おそらく多くの人が、からだをタオルやスポンジでゴシゴシ洗っていないでしょうか?そうしないとからだの垢が全部落ちていないような気がするものです。しかし、このゴシゴシ洗いが角質層のバリア機能を激しく壊しているのです。角質層が正常な状態に戻るのに2週間から4週間もかかります。正しい洗い方は、洗浄剤を軽く泡立てて手のひらにとり、肌をなでるように洗います。泡がホコリや雑菌を吸着し、濃い洗浄剤が直接肌につくことを防ぎます。また、角質層の古い細胞は入浴時に自然と剥がれ落ちていくものです。

シャンプーのポイント!

妊娠中は、ホルモンの影響やおなかの赤ちゃんが栄養を吸収するために、髪の質や頭皮が変化します。これは、産後月経が始まる頃までの一時的なものなのですが、女性としては髪の美しさも気になりますよね。洗いすぎは、乾燥し、パサつきや枝毛、フケやかゆみの原因になります。頭皮もバリア機能を維持するために、水分保持に欠かせない皮脂を残しながら汚れをしっかり落としてくれる弱酸性のシャンプーを選びましょう。身体を洗うのはシャンプーのあとに。シャンプーがお肌に残っていると刺激になることがあるので、よく洗い流してくださいね。


皮膚のカサカサかゆみの原因。

冬に気温が下がってくると、体温を維持するために皮膚の血管が縮み、血流量が減ります。すると角質細胞に栄養が運ばれにくくなり、皮脂の分泌が減少し、水分が蒸発していきます。また、水分を保持するの細胞間脂質も少なくなっているので、さらに乾燥が進み角質層のバリア機能が低下していきます。新陳代謝も低下し、新しい細胞もなかなか再生されず、ますます皮膚のバリア機能が低下してしまうのです。そんな皮膚は、外界の刺激から肌を守れず、かゆみや炎症を起こしやすくなるのです。夏にかゆみを感じにくいのは、汗や皮脂の分泌が高まるとともに湿気で肌が潤い、バリア機能が保てているからといわれています。最近では、アトピーのかゆみもこのバリア機能の低下が関与していると考えられています。

大人のにきびの予防法。

にきびのケアは清潔が基本ですが、思春期のころと違って皮脂だけでなく、疲れ、ストレス、乾燥、睡眠不足や、妊娠によるホルモンのバランスのくずれによっても起こります。角質層の新陳代謝が低下して皮膚が硬くなり、毛穴がふさがってできます。強すぎる洗浄剤で過剰に洗うと、ますます肌は乾燥し、外の刺激を受けやすくなってしまいます。肌を清潔にし、肌のモイスチュアバランスを整えて、弱酸性pH5.5に保つことが大切です。